散る花、咲く花

鐘屋横丁

     

 再び女の上に跨る。怒張した自身を、女の膣内へと、ゆっくりと挿入する………女の膣内は狭いように感じられた。身体の小ささのせいだろうか。女は、しきりに手を握ってくる。不安なのだろうか。その行動に、特に返事はしなかった。
「動くぞ」
「うん」
 腰を打ちつける。パン、と音が鳴る。
「あぁっ! ああ!」
 女はすこし大きな声を上げて、逃げるような動きをする。無論、逃さない。女の両腕を片手で、頭の上でがっちりと捕まえる。腰を打ちつけるペースは落とさない。
 おかしな感覚だ。昼間バトルで負けた相手をこうして組み伏せている。何かに勝ったような気さえしてくる。
 欲しかった存在を、手に入れた喜び。自分のものになった喜び。それは一時的なもので、朝が来れば終わってしまう事も知っている。知っているが、今はその幸福に酔いしれていたい。
「はあっ、ああっ、ああっ……」
「果てる時は言え。よくしてやる」
「イク……イッちゃう……ああ……だめっ……!」
 腰を打ちつけるペースを少し早めた。女の快感に合わせて、膣が締まる。伝わる快感に思わず声が漏れる。
「クッ……」
「はぁ、はぁ……またイッちゃった」
「大丈夫か?」
「平気、この、くらい……」
 女は強がっているように見えたが、遠慮するつもりはこちらにはない。
「体位を変えるぞ。後ろを向け。四つん這いになるんだ。出来るか?」
「出来……ます……」
「いい子だ。少し激しくするぞ」
 女が後ろを向く。白い肌はところどころ汗ばんでいて、それを茶色の髪が隠す。どことなく、扇情的だった。女の膣内へと再び挿入し、腰を打ちつける。
「あっ、あっ、ああぁ……」
 女はまたすこし大きな声で喘ぎ出した。
 自分もそろそろ限界が近い。後ろから、女の身体をかるく抱きしめる。
「そろそろイキそうだ」
「いい、良いの、来て——」
「うっ……」
 絶頂。果てた。女の髪の匂いがする。自身を膣の中から引き抜くと、女は体勢を崩して寝転がった。


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