「ロケット団は、解体はしない。それは今は約束しよう。
そして問いたい。何故我々の邪魔をしながら、組織の存続を望む?」
「……ポケモンバトルが強い人が、世界のトップに立つのは、何も間違った事じゃないと思うの」
「ほう」
「この世界は、そういう世界だから。そしてわたしは、挑まれた時は、誰とでも戦うようにしてる」
「団員たちが挑んで来たから、蹴散らしただけか?」
「そうなるかな。後は、あなたと、もっと戦いたかった」
「私と」
「ポケモンバトルをしてる時が一番、相手の事が分かるの。敏感なんじゃなくて、普段が鈍感なのかな。それで、あなたと戦ううちに、もっと、対話をしたくなった」
「分からない話でもないな。相手との駆け引き、読み合い、そういう要素があるのがポケモンバトルだ。それで、キミの望む対話というのが、これか」
「……そう。話すより、もっと深いところで、あなたと対話がしたい」
「そうか」
「ダメ……かな」
「……」
この少女に、3度も負けた。いつかは勝てるのだろうか。今は、そう思えるようになった。次敗れた時は、ジムリーダーも、ロケット団の首領も、投げ出してしまおうと思っていた。
だが、次があると思えるようになった。それはいつからか。昼間戦った時からでは無いのか。
……ああ、欲しい存在だ。
立ち上がるための、光。敗北に屈する事なく、泥にまみれようとも、再び立ち上がるために必要なもの。
「……服を。脱ぎなさい、全部だ」
「はい」
少女は少し嬉しそうに笑うと、ゆっくりと、服を脱ぎ始めた。
~ 5 ~