コジロウはもう、アタシの気持ちいいところを全部わかってる。何も言わなくても、触れて欲しいところに触れてくれるし、いちばん欲しい時にキスをしてくれる。
アタシの身体は、コジロウとする度にどんどん敏感になって気持ち良くなってる気がする。最初はちっともうまくいかなくて、濡れなかったり、勃たなかったりしたけど、回数を重ねるごとにそんな失敗は無くなっていった。今はすっかり、素直にコジロウを受け入れる身体になった。
「ムサシっ……!! ムサシっ……!」
コジロウが腰を動かしながらアタシの名前を呼ぶ。いつも、呼ばれるとなんとなく嬉しい。だからアタシも呼び返してる。
「コジロウっ……!!」
「ムサシ、俺もう……」
「いいわよ、全部……! 全部出してえっ!」
そう言いながら、アタシも限界が近かった。コジロウはいつも最後、深くまで突いてくる。それがいつも気持ち良くて、今日も——
「ムサシ、イクよ……! イクッ……!」
「アタシも、ああっ! ああぁん!」
……殆ど同時に、果てた。
「はあ、はあ、ムサシ」
「コジロウ……」
コジロウはいつも、終わった後は甘えるようにキスを求めてくる。後ろを向いて、それに応えた。優しく、唇を合わせるだけのキス。それが終わると、ギュッとアタシの事を抱きしめる。この瞬間がたまらなく好きだ。時間の流れが緩やかに感じる。
時間——ん?
「あれ?」
「どうした、ムサシ?」
「あっ! ヤバ! 本部への定期連絡の時間過ぎてない?」
「忘れてた! ロトム! ロトムは……アレ?」
いつの間にか、スマホロトムはふよふよと浮かびながらこっちに画面を向けていた。
「えっ! ちょっとこれ、繋がっちゃってたんじゃないの!」
「何だってー!?」
慌てて画面を覗き込む。そこには……
「……」
「……」
ソファの上で、着衣のまま交わるふたりが映っていた。
「なんでサカキ様とおかっぱ眼鏡の濃ゆ〜い絡みを見せつけられてるのよ……」
「さあ……」
「まあ……見るけどね」
「うん。貴重すぎる映像だ」
しばらく、眺めた。画面の中のふたりはこちらに気づく様子はない。
「……サカキ様のサカキ様、でっかくない?」
「でっかいな……あれがあの小柄な身体に入ってるのか……」
画面の中のおかっぱ眼鏡が喘ぐ。サカキ様、サカキ様と何度も名前を呼びながら、正常位で突かれている。
サカキ様が、ちらりとこちらを見た。笑っている。口元に人差し指を当てて、静かにするようにジェスチャーをした。
「……」
「……」
二人の交わりは続く。サカキ様は、通信が繋がっているのを知っててやってそう。なかなかに趣味の悪い遊びね。
「でもなんか……身近な人がヤってる姿ってコーフンしない?」
「わかる。なあムサシ、もう1回……」
「えー? 仕方ないわね……」
「よしきた!」
コジロウは避妊具を外して器用に結ぶと、もう一つ新しいものを取り出してきた。
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