「さて、片付けなくっちゃ」
「手伝おう。皿洗いくらいは俺でも出来る」
「えっ! 悪いですよ、ゆっくりくつろいでて下さい」
「礼がしたいんだ。手伝わせてくれ」
「うーん……。分かりました、お願いします」
部屋に戻った。食器をシンクに運ぶ。4人分ともなると、少し多く感じる。スポンジに洗剤を付けて洗った。女は、洗い終わった食器を拭いていく。
「なんか、不思議です。こうしてるのが」
「そうだな。俺も新鮮だ」
「一緒に暮らしたら、こんな感じなのかな。なんて……」
女の顔が、少し赤い。
「一緒に暮らすか?」
「えっ!」
「まずは、部屋探しだな。ヤマブキのでかいマンションにするか? タマムシのはずれの方で静かに暮らしてもいい。家を建てるのもいいな」
食器が、カチャカチャと音を立てる。女の食器を拭く手が止まる。
「……それは、えっと……」
「冗談かと、言いたげな顔だな。俺はいつでも本気だ」
「うん。嬉しくて。信じられない」
「そうか。決まりだな。次の休みは、それに費やそう」
「はい」
女は少しうつむいて、また食器を拭き始めた。覗き込むと、うつむいた顔が赤い。口元を弛ませて、幸せそうに笑っている。それでいい。女の幸せのためなら、出来る事は何でもしてやりたい。
「どうかな。……似合ってる?」
女が服を脱ぐと、やや露出の多いレースのキャミソールとブラジャーが姿を現した。
「キミにしては少し、背伸びをしたな。だが、好みだ」
抱き寄せて、触り心地の良さを確かめた。サラサラとして、気持ちがいい。
「ん……ちょっと、くすぐったい」
「今夜は、冷えるぞ。暖め合おう」
「はい」
自分も服を脱いで、ベッドの中に入った。
「今日だからか? そんな格好なのは」
「うん。ちょっと、お洒落しようかなって」
「そうか。愛い奴だ」
女の頭を撫でる。女は嬉しそうに微笑む。
もう何度目かの、口付けをした。そのまま、首筋、胸元へと口付けを落とした。
「……」
女の下着に手をかける。恥ずかしそうに目を背けられた。だが、気にせず続けた。キャミソールを脱がし、ブラジャーを取り、下も脱がせた。
いつも思う事だが、綺麗な身体をしている。肌は白く、身はほっそりとしている。いつだったか、不逞の輩に傷をつけられた時は腹が立ったものだ。今ではその傷ももう、どこにあったかわからない程に回復していた。
「キミは、綺麗だ」
「……ありがとう、ございます」
「キミを自分のものに出来るのが、何より幸せだ。いつの日か世界をこの手に収めたとしても、この幸せには敵わない」
女とともに、ベッドの中に入った。抱きしめる。肌と肌の触れ合いが、暖かい。
「ふふ。こうしてくっついてるの、気持ちいい」
「そうだな。いつまでもこうしていたくなる」
少し長く抱きしめてから、離した。女の乳を吸う。
「あぁっ……」
女が甘い声を漏らす。震える両手で、頭を抱えてきた。もう片方の乳の先端を、指で弄ってやる。女の身体に力が入って、固くなる。頭を抱える手にも力が入る。
「力を抜け。その方が、気持ちいいぞ」
「は、はい……」
女がまた少し身体を震わせながら、力を抜く。そこへ、また胸を愛撫してやる。身体に力を入れないよう我慢しながら、びくびくと女の身体が反応する。
「んっ……だめ……きもちいっ……」
女の目はとろんとしている。少し悪戯をしてやりたい気持ちが芽生えて、先端を軽く噛んだ。
「ひゃあっ!」
女が小さな悲鳴を上げる。だが、痛がっているようには思えない。
「良いか。噛まれるのは」
「うう……最初は痛いだけだったんだけど」
「そうか。もっと、色んな場所を感じるようにしてやろう」
「ちょっと、怖いな。自分が自分でなくなっちゃうみたい」
「大丈夫だ。俺がキミの事を、ちゃんとわかっている」
「うん……」
女が目を閉じる。普段は大人びたところもあるが、ベッドの中に居る時は従順な少女だ。どちらの女も愛おしい。髪を撫でて、優しく口付けた。
~ 8/11 ~