「はぁっ……もっと、もっと下さい」
「欲張りだな、キミは」
「あう……」
「いいさ。そういう、ところも。嫌いじゃない」
「サカキ様……」
腰を振る。その度に、女は鳴き声をあげる。両腕できつく、抱きついてくる。膣内も、締め上げてくる。全身で自分を、離すまいとしている。どこか歪で不器用な、彼女なりの愛情表現だ。
「心配するな、キミの事は……離さない」
「……はい」
「何があっても、だ。こうして……俺の腕の中に……ずっと、居てくれ」
「はい……サカキ様」
それでも、腕の力は弱まらない。嬉しさが、そうさせているのかもしれない。
少し、ペースを上げた。女の喘ぎも激しいものになる。やっと、腕の力が弱まった。
「あぁっ……そんなに、激しい……もうダメかも……」
「俺も、そろそろだ。一緒に、果てよう」
「はい……!」
先に果てたのは、女だった。身体を震わせ、またしがみつくようにして、抱きついてくる。絶頂すると、膣が締まる。その感覚をじっくりと味わう。そうして、味わいながら、自分も果てるのが好きだった。避妊具の中に、精を放った。
ふたりの吐息が、重なる。しばらくの、沈黙。
「気持ちいい……。はぁ、好きです、サカキ様」
「なんだ。俺の身体が、そんなに好きか」
「ええっ……そんな言い方っ……! 確かに、好きですけど」
女の秘所から自身を引き抜いて、身体を起こす。避妊具を縛って、ゴミ箱に放りこんだ。
「そうか。身体目当てだったか、悲しいな」
「もう……! いじわる! そんな訳ないじゃない……」
女が、むくれる。
「いい機会だ。教えてもらおう。俺のどこが好きだ?」
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