ステージ!/踊るなら、きみとワルツを

鐘屋横丁

     

 

 バスローブを着て、ベッドに横になる。女もそれに従った。
「さて。今日の俺は、きっと優しいぞ。機嫌が良いからな」
「うん……」
 女は少し、恥ずかしそうだ。これから、どうやって抱かれるのか。それを想像しているのかもしれない。
 部屋の明かりを、暗くした。女を、抱き寄せた。軽く口づける。頬、首筋、鎖骨と、口づけを落としていった。女はその度にぴくりと身体を反応させる。その反応が愛らしい。  
 強く、抱きしめた。女の少し早い、鼓動が聞こえる。
「……、……」
「はい」
 名前を呼んだ。女が、目をこちらに向ける。
「ずっと、こうして居たい。キミの事を考えていると、つい、上の空になってしまう。良くないな」
「わたしも、ずっとこうして居たい。
 わたしが、それじゃダメだよって言わなきゃいけないのかもしれないけど、出来ないよ。こんなに想われて、嬉しくて、舞い上がってる」
 女は、照れ臭そうにそっと視線を外す。
「そうか。キミに溺れる、俺の愚行を、止める者は誰も居ないのだな」
「そうだね」
「なら、行き着く所まで流されよう。共に、来てくれるな」
「うん。どこまでも、一緒」
 再び、口づけた。今度は長く。女の舌を舐め取った。優しく慈しむように、ゆっくりと絡め合った。
 口づけをしながら、女のバスローブを脱がした。まだ小ぶりな胸が露わになる。唇を離した。女の顔は蕩けていて、どこかもの欲しそうだ。女は、まだ若い。幼いところも見られる。しかし、確かにそこには性への欲求があった。


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