そうこうしているうちに、会議は終わった。終わるまで、ずっと女の事を考えていた。そのせいか、早く顔が見たくなっている自分が居た。今日は、特別可愛がってやろうか。そんな事を考えていた。
果たしてナツメは、自分の心を読んだだろうか。ロケット団について、皆が真面目に話している最中に、若い恋人の事を考えている間抜けな男を演じられただろうか。最早どうでもいい事だった。欠伸の出そうな会議を無事に乗り越えられたのだ。良しとしよう。
一服して、ジムへと向かった。日は、まだ高い。今日はよく晴れて、少し暑いくらいだ。
「リーダー! こんにちは!」
「どうでした、会議は?」
ジムトレーナー達が話しかけてくる。リーダーが不在でも、メニューをこなし、練習試合をし、バトルに真剣に向かい合う者ばかりだ。皆、優秀と言っていい。
「やあ。いつも通り退屈な会議だったよ。ジムバッジを、負かした相手にもお情けでくれてやるべきだという話が出た」
「そんな、あり得ないッスよ」
「リーダーに勝った人がバッジゲット!シンプルで良いです」
「ふふふ、お前たちなら、そう言ってくれると思ったよ。
先日、取材が入ったから分かってると思うが、テレビでトキワジムの紹介がある。挑戦者は間違いなく増えるだろう。気を引き締めてくれ」
「押忍!」
「リーダー、出るんですよね! 録画します!」
「録画は別にしなくていいが……」
「リーダー! 僕、ダグトリオのわざの構成に迷ってて。見て欲しいんですけど」
「構わないよ。見せたまえ」
ジムトレーナーは、かなりの精鋭揃いだ。テレビを見てやってくる挑戦者がどのくらいのレベルなのかは未知数だが、ジムトレーナー達を突破して自分のところまで来る者はきっと少ないだろう。
~ 7/17 ~