「最近、ヤマブキの近くではポケモンの力を悪用する輩が居るようです。コソ泥やひったくり等、小さな犯罪ですが、見過ごせません」
「まあ……」
「アレじゃないの?ロケット団とかいう奴ら!」
カスミが声を少し張り上げた。
確かに、下っぱどもは略奪行為を行う事がしばしばある。だが、些か不自然だった。略奪の対象はあくまでポケモンか、それに関する物の筈だ。もし下っぱどもがくだらない略奪行為を行うのであれば、それは軍規に違反する事になる。
……いや、考えるのは止そう。ナツメに読まれてしまっては、どうしようもない。
適当に話を聞きながら、女の事でも、考える事にした。
「そうかも知れません。ヤマブキでは、隣の道場に協力をお願いして、自警団を作る予定です」
「全く、許せない輩だ。ポケモンを悪事に使うとは」
カツラが憤る。熱く、真面目な男だ。当然の反応だった。
「本当ですね。ニビではそんな話は聞きませんが、警戒します」
タケシが続ける。女の事を考え続けた。……あの夜は、楽しかった。ディナーの後も、女は愛らしかった。いつまでも交わり続けたくなるような、そんな夜だった。特別な夜だったと言ってもいい。女も喜んでくれている事を願いたい。
会議は踊る。頭の中では、女が踊る。
~ 6/17 ~