女に、口づけた。柔らかな感触を、しばし味わう。舌を入れた。女もそれに応える。夢中で絡め合った。息が少し苦しくなった頃に、口を離す。女は、微笑んでいる。また、少し大人びた表情だ。
「なんだか、楽しくなってきちゃった。薬のせいかな。バトルしてる時みたいに、頭の中がキラキラする。ずっと、こうして居たい」
女が起き上がり、抱きついてきた。頭を撫で、ゆっくりと押し倒す。
「よしよし。俺も、いつまでもこうして居たい。同じだな」
「同じ。嬉しいな。あなたと、同じな事が、嬉しい」
「分かるよ。まるで違う人間の我々が、今この瞬間は同じ思いで居られる。それは一つの、小さな奇跡だ。喜ばずには、居られない」
「素敵」
女が、ぽつりと呟いた。
「さあ、果てまで行こうか。入れるぞ」
「うん……!」
避妊具を付け、女の中に入った。暖かい。女が、小さく喘ぐ。
腰を動かす。女の表情が、快感に歪んで変わる。後ろから犯すのも好きだが、顔が見えるのは、やはりいい。
「はぁ……あぁ、良いです、気持ち、いい……」
女にはもう、獣のような最初の勢いはなかった。ただ、快楽に呑まれて、ひたすらに喘ぐ。薬はまだ効いているようだが、幾分穏やかになったように感じる。
「もっとだ。甘く、鳴いてみせろ。そういう時のキミの声は、可愛いんだ」
「はいっ……! はぁ、サカキ様…っ、好きです、好き……」
「俺も、キミが好きだ。また、ふたり同じだな」
「うれしい……あぁっ、……そんな深くまで、突かれるとっ……」
「分かっている。ここが、弱いんだろう」
少し角度を変えて、深くまで突いた。女が身をよじろうとする。が、許さない。右手で女の肩を掴む。
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