果てへの航路

鐘屋横丁

     

「そんなっ……!あぁ、許して……下さい……」
「いいや。許さない。俺の、目を見ろ。見ていろ」
 恥ずかしそうに、女がこちらを向く。快感に浸りきった目が、ぼうっとした表情を浮かべながら、こちらを見てくる。
「いい子だ。ご褒美をやろう」
 腰を動かす。深くまで突いた。女が、目をぎゅっと瞑る。
「もっ……もうダメです、イッちゃう……」
「いいぞ。俺も、もうじきだ」
 女の膣が、びくびくと動いた。締まる。それが刺激となって、快感が押し寄せる。たまらず、精を放った。
「はあ、はぁ……」
 女が、また大きな息を漏らす。
「どうだ。落ち着いたか」
「うん。頭がずっと働かなかったんだけど、やっと、少し回るようになった」
「少し、休憩しよう。まだまだ出来るな?」
「うん……身体は、まだ欲しがってる、みたい」
「そうか。俺は構わない。気の済むまで、付き合ってやる。元はと言えば、俺が飲ませたものだ」
「……ありがとう」

 休憩した後も、我々は何度も交わった。時に激しく、時には優しく扱った。明け方近くまで交わって、先に女が眠った。
 戯れに作らせた媚薬だったが、効果は大きなものだった。良いものが、見れた。
 女の寝顔を見る。まだ少し幼くて、可愛い、と思える。今日は自分の嗜好に、さんざん付き合わせてしまった。少し、申し訳なく思う。髪を撫でる。
 明日からはまた、出来るだけ優しくしよう。組織に尽くし、自分にも尽くしてくれている。いい、女だ。
 寝顔が変わらないのを確認すると、女の隣で、自分も眠りについた。


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