甘味と、もどかしさ

鐘屋横丁

     

 わたしの秘所を舐めるのを止めないまま、わたしの身体の上で、くるりと体の向きを変えた。目の前に、既に硬くなったそれが来た。少し頭を傾けて、咥えた。歯が当たらないように、優しく唇で包んで、顎を上下に動かす。
 わたしの下半身からは、変わらずびちゃびちゃという音が聞こえる。気持ちいい。お互いの大事なところを舐め合ってる。なんだか、とても淫らな事をしてる気分になる。
「良いぞ。……久しかったせいか、それともキミが上達したか。我慢が出来ん」
 わたしを責めていた舌が、止まった。感じていてくれてるのかな。嬉しい。喜んで欲しくて、たくさん舌を使った。
 彼はわたしの上に逆さに乗っていた体位を変えて、わたしの頭の上に腰を下ろした。一旦、口から離れる。でも、もっと感じて欲しくて、追いかけた。また咥える。股に顔を埋める格好になる。
「ッ……良いぞ、続けろ」
 先の方をたまに舐めながら、咥えて、唇を上下するのを繰り返す。口の中で、大きさが変わるのが分かる。感じてくれるのが嬉しい。わたし、上達してるのかな。褒めて貰えるかな。
 やがてそれは、はち切れそうなほど大きくなった。
「……出すぞ。受け止めろ」
「……!」
 口の中に、液体が溢れた。なんとも言えない味。一気に飲み込んで、起き上がった。
 はぁ、はぁと漏れる吐息が聞こえる。いつもは先にイカされちゃうから、なんだか新鮮だった。
「飲んだのか。美味くはないだろう」
「ううん、大丈夫」
「すまない。先に果ててしまった。今日は優しく抱くつもりだったのに、計算が狂ったな。これから、挽回しよう」


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