甘味と、もどかしさ

鐘屋横丁

     

 先端を、また舐められる。右側は、指でくりくりと弄られている。吐息が、漏れてしまう。
「あっ、はぁっ……!やっ……!」
「嫌では、なさそうだな」
 今度は、右の胸を舐められた。先端を、かるく噛まれた。知らない快感が、身体を貫いた。
「ひっ……あぁっ……」
「噛まれるのは、どうだ? 痛くはないか」
「……気持ち、いいです」
「そうか。常々思っていたが、キミと俺は、相性がいい」
「相性……?」
「好みの話だ。俺がしたいと思う事で、キミはいつも、とても悦んでくれる」
「……」
「もっとだ。もっと、色んなことを仕込んでやろう。俺以外の男では、満足出来ないようにしてやる」
 もう一度、同じところを優しく噛まれる。身体が反応して、ぞくぞくと快感が走る。
「そんっ、な……他の人なんて、もう、考えられないのに」
「ふふ、そうか。可愛い奴だ」
 両手で、頭をぎゅっと抱きしめる。もう、他の人なんて全く考えられないのに。子供の言う事だと思われてるのかな。だとしたら、少し悲しい。こんなに、愛しているのに、少しも伝えられていない気がする。
 右胸を、今度は吸われた。左は、指で弄られている。気持ちいい。手に力が入らなくなってきた。
「ん……はぁっ……あっ……」
 吐息が、漏れてしまう。恥ずかしい。
 緩んだ両手から逃れて、頭が動く。下に向かって、わたしの身体に舌が這っていく。秘所に舌が迫ってきた。じゅるじゅると、音を立てて責められる。もう、十分なくらい濡れているのだろう。
「このまま、逆さになるぞ。俺のを、咥えてくれ」
 そう言って、彼はバスローブを脱いだ。


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