甘味と、もどかしさ

鐘屋横丁

     

 そこへ、店員さんが料理を運んできた。
 わたしは、オムライス。上に乗ってる卵が、ベイリーフの形になってる。あとは、サラダとスープが付いてる。マイムさんは、トマトソースのハンバーグ。マグマラシの形に、焼き色が付いている。
「美味しそう! いただきます」
 卵はふわふわで、ケチャップライスと一緒に食べるととても美味しい。サラダは、トマトとレタスの上に砕いたきのみが乗っていた。スープは甘めのコーンスープ。どちらも美味しかった。

「では、私は仕事に戻ります。明日また、お会いしましょう」
「はい! ありがとうございました」
 お店を出て、マイムさんと別れた。本当にいい人だ。ロケット団で一番よく話す人だけど、話すと、どうしてもあの人の話で盛り上がってしまう。
 だから、マイムさんについてはまだまだ知らない事が多いけど、細かい事は気にならないくらい、優しくていい人。もっと仲良くなれるといいな。
 ……さてと。まずは、何を作るか決めないといけない。本屋さんで、お菓子の本でも買って帰ろうかな。

 次の日。
 マイムさんと合流して、まずはタマムシデパートで材料を買うことにした。
「必要なものは、わかってますか?」
「はい! メモしてきたので、大丈夫です」
「よろしい。では、行きましょうか」
 卵、グラニュー糖、ミルク、薄力粉、ベーキングパウダー、バター、ココア、板チョコ、生地を流し入れる型。製菓材料コーナーで全部揃える事ができた。支払いを済ませて、外に出る。
「ゲームコーナーの近くです。すぐ着きますよ」
 袋を下げて、マイムさんのお家へと歩く。そこは、きれいなマンションだった。エレベーターで5階に上がる。マイムさんが、部屋の鍵を開ける。
「どうぞ、いらっしゃいませ。あまり広くないですけど」
「お邪魔します」


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