注意書き
細かいゲーム内設定の違いはご容赦ください。(技など)
◆表紙協力→ガバ子さん(https://www.pixiv.net/users/2015447)
細かいゲーム内設定の違いはご容赦ください。(技など)
◆表紙協力→ガバ子さん(https://www.pixiv.net/users/2015447)
何度も確認はした。
「愛人?」
「愛人」
「意味わかって言っているのか?」
「うん」
「……ポケモンバトルが終わった後にする話ではない」
「うん。とても良いバトルが出来た」
「そうではなく」
「……」
少女の口数は多くはない。けれど困っているようには見えない。どこか楽しんでいるようにも見える。
「大人をからかうものでは無いぞ」
「わたしは真剣」
「……」
一つだけ、分かったことがある。
少女の真っ直ぐな目は、常に自分に向けられていた事だ。自分が少女の顔を見ると、いつもそこに、真っ直ぐな目がある——
「……キミ、年は幾つだ」
「16」
「16か……」
若い。若すぎる。自分はその頃何をしていたか。思わず振り返りたくなる。少なくともこの少女のような恵まれた才は無く、また真っ直ぐな目も、もう無かったように思える。
「……」
自分にはもう無い時間が、この少女にはある。もっと、やれたのではないか。才を、無いなりに、もっと磨けたのではないか。手持ちのポケモンに、部下達に、あの時、あの場所で、もっとしてやれる事があったのではないか。
「……」
沈黙が続くと、良くない事ばかり考える。
とにかくだ。
とにかく、正しい振る舞いをすべきだと自分に言い聞かせた。
「キミのような、辺りを駆け回って膝を擦りむいているような年齢の子供に、どうこうしようという気は私には無いよ。
ジムバッジと賞金を渡す。ソフトクリームでも買って帰りたまえ」
「……別に怪我はしてないけど」
「そういう事ではなくて」
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