注意書き
サカキ×オリ主♀です(カプ要素はまだかなり薄いです)。
細かいゲーム内設定の違いはご容赦ください。
◆表紙協力→ガバ子さん(https://www.pixiv.net/users/2015447)
サカキ×オリ主♀です(カプ要素はまだかなり薄いです)。
細かいゲーム内設定の違いはご容赦ください。
◆表紙協力→ガバ子さん(https://www.pixiv.net/users/2015447)
季節は冬に差し掛かろうとしていた。トキワジムの一番奥、広い部屋には暖房は無く、古い型の判定マシンがあるのみだ。壁のスクリーンにただ情報を写し出しているそれにも、当然温かみは無い。
……冷たい。ふとそう感じたが、寒くはない。氷ポケモンが場に出ている訳でもない。戦況は、良くない。5体目を出す所まで追いこまれた。
あちらは余裕の笑みを見せており、場ではフシギバナが鼻息を荒くしながら次の対戦相手を待ち構えている。ずいぶん大きい口だ。呑まれるのか、俺は。そんな事を思った。
……負けるのか。
いや、あちらにはこれまで何度も負けているのだ。負けて何の不思議もない。
真っ直ぐな目をした、少女。一目見た時から嫌な予感はしていた。ガラの悪い団員たちにも、自分にも、少しも恐れず、その目には、勝利しか知らないような純粋さがあり、バトルセンスには光り輝くような才能があった。アジトに単身でやって来て、またある時は高いビルの社長室で、我が軍は自分を含め、全てが彼女に悉く負けた。
……これが、最後の負けか?
手にしたボールが、カタカタと震える。武者震い。そうだ。まだ、負けてはいないのだ。自分のポケモンは。まだ、諦めるなと言っている。すまない。たった数秒でも、トレーナーとして、ジムリーダーとして、弱気になった事を詫びたい。
勝つ。勝たなければ。いや違う。軍の首領でも、リーダーでもなく、ただ一人の男として、勝つ。
「行け、サイドン」
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