注意書き
ゲーム内細部設定の違いはご容赦ください(覚える技等)。
名前ありオリ幹部が一人います(#3〜 マイム)。
時系列はあまり考えてません。
死描写あり。ハッピーエンドです。
◆簡易あらすじ:トキワジムで最後の戦いに敗れたサカキだったが、少女はロケット団の解散は望まなかった。少女はロケット団の戦闘教官となり、世界征服の野望達成のためサカキ、マイムらと共に邁進する日々を送る。
ゲーム内細部設定の違いはご容赦ください(覚える技等)。
名前ありオリ幹部が一人います(#3〜 マイム)。
時系列はあまり考えてません。
死描写あり。ハッピーエンドです。
◆簡易あらすじ:トキワジムで最後の戦いに敗れたサカキだったが、少女はロケット団の解散は望まなかった。少女はロケット団の戦闘教官となり、世界征服の野望達成のためサカキ、マイムらと共に邁進する日々を送る。
「行ってきます! 外の任務なんて、初めて!」
女は笑顔で出て行った。
ジョウトの山で目撃例のあった、リングマの希少種。コイツがどうにも強いらしい。幹部の手を持ってしても、捕獲に至らない。誰か腕に覚えのある団員を……という事で、教官に白羽の矢が立った。
何も悩んではいなかった。普段の実力なら、野生ポケモンの一匹くらいさっさと捕まえて戻ってくるはずだ。そう思っていた。
昼頃、一本の報告が入った。
「……希少種と戦闘中、山の一部が崩れ、教官殿は滑落。頭を強く打っており、現在ヒワダタウンの病院で治療中……」
「!」
「行きましょう、サカキ様。私も行きます」
ケーシィに変身したマイムの右手を取って、すぐにテレポートでヒワダタウンへ向かった。
手術室の前。
時計の秒針の音を聞きながら、神に祈ろうとした。しかし、無理だった。祈る神など、何処にもいない。神がいたとして、自分のような者の願いを叶える訳が無い。
「……」
「……」
マイムは、目を瞑って手を合わせている。あいつには、祈る神がいるらしい。真っ白な顔をしている。元々肌の白い奴だが、今は顔に色が無い。自分も、同じような顔をしているのだろうか。
「……」
「……」
空気が重苦しい。時計の秒針の音が、遅く感じる。一服出来るような場所でもない。
「……なあ、マイム」
「はい」
「お前、特定の宗教はあるのか」
「特には。かつての主人も、熱心な方ではありませんでした。ですが、祈る時はあります。それは昔から同じです。ポケモンにも、祈りは必要なのですよ」
「そうなのか」
「ええ。
時に、熱心な者もおります。祈る場所を設けたり、捧げ物をしたり。私の暮らしていたのは草原でしたから、あまり見かけませんでしたが、深い森に暮らす者は祭壇を作って儀式のような事をしているそうですよ」
「興味深い話だ」
マイムが顔を上げて、懐かしそうに微笑みながら話をする。動く瞳、揺れる前髪、言葉を紡ぐ唇。その全てが緑である理由を、自分は知っている。忠誠心と、己の愛のためだ。
「サカキ様は?」
「特に無い。何かを特別祈った事も無いな。だから、やり方も分からん。手を、合わせればいいのか」
「はい。この世界の宗教には興味があって、宗派の特徴などを一通り学んだ事がございます。頭を大きく下げるやり方など様々ですが、一般的には手を合わせるこれが、祈りのポーズです」
「そうか。お前は、いいな。冷静で。穏やかで。優しくて。人並みに祈る事すら出来ない俺を、嘲りもせず」
マイムはにこりと笑った。
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