君を愛するということ

鐘屋横丁

     


「結局のところ、お前は昨日の女に嫉妬したんだな」
「嫉妬?」
「羨ましい、と強く思う事だ。どうなんだ? お前が嫌なら女遊びはもうしない」
「そうだな。あまり、いい気はしなかった」
「やはりな」
「もう、いいだろう。これからは、私がまた相手をする」
「そうか。頼もしいな」
 サカキはまた煙草を吸っている。上へと昇る煙を眺めながら、愛の意味についてもう一度考えた。


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