注意書き
R団サカキ様×アポロ前提のRR団サカキ様×アポロです。
アポロがパシオを訪れる話です。ちょっと後味が悪いので気を付けてください。
R団サカキ様×アポロ前提のRR団サカキ様×アポロです。
アポロがパシオを訪れる話です。ちょっと後味が悪いので気を付けてください。
広がる青空。じりじりと照りつける太陽。少し、むっとする暑さ。嫌味なほど爽やかに吹きつける風。人工島と聞いてはいましたが、気候の方ももう少し過ごしやすいよう作り変えて欲しいものです。
探し人——我らのボス、サカキ様を求めて、こんな僻地の島までやって来てしまいました。
多くのトレーナーが集い、バディーズと共に日夜バトルが行われていると聞きます。人はうんざりする程多いですが、ひょっとしたらこの人ごみの中にサカキ様がいらっしゃるのではないかと思い、朝から晩まで島の様々な場所を彷徨い歩く日々を過ごしていました。
「……さすがに、少し疲れましたね」
「ガウ」
ヘルガーが答えます。彼も、暑いのは苦手そうです。舌を出しながらハァハァと、少し荒い呼吸をしています。
少し歩くと、砂浜と海しかない場所に出ました。ヘルガーと共に、適当な所に腰掛けます。
「明日からは、聞き込みにもう少し力を入れましょう。サカキ様ならきっと、地面タイプのバディーズを連れているはずです」
「ガゥ!」
「おまえの嗅覚、頼りにしていますよ」
頭を撫でると、嬉しそうに目を細めます。付き合いの長い、私の大切な相棒です。
「……」
波の音に耳を傾けました。どこまでも続く海。寄せては返す波。こうしていると、今自分がやっている事が途方もない事のように感じます。この広い海の中から、たったひとかけらの宝石を見つけるようなものではないかと。でも、諦めるわけにはいきません。我らには、……いいえ、私には、あなたが必要なのです。
ああ、サカキ様。今どこにいらっしゃるのでしょう。様々な思い出が頭の中を巡ります。初めてお会いした日の事。部下として任務をこなしていた日々の事。上手くいった時はお褒めの言葉を頂きました。
……様々な計画が順調に進んでいたある日、ひとりの子供の邪魔が入った事。そのまま、今まで積み上げていた様々なものが、砂の城のように呆気なく崩れていった事。呆気なく。そう。サカキ様が旅立たれてしまったのも、そうだった。いとも容易く、我らの前から去って行ってしまわれた。掴む手からこぼれ落ちる砂のように、止められるものではなく、我らはただ起きてしまった事を受け止めることしか許されなかった。
私は幹部たちと共に、残った団員たちをまとめてロケット団を再結成しました。賛同者は多かった。サカキ様を慕う者がそれだけ多いということです。ラジオ塔を占拠して、どこかにいらっしゃるはずのサカキ様に呼びかける。サカキ様を再びお迎えして、以前のようにロケット団を率いて頂く。だが、上手くいかなかった。またも子供の邪魔が入った。いまいましいと、腹を立てる余裕もありませんでした。敗北した時、そこにあったのは大きな絶望。我らは、再びロケット団を解体する事になりました。幹部たち、団員たちの行方は知りません。私は単身、サカキ様を探す旅に出ました。
我ながら、ここまで来ると執着です。仮にお会い出来たとしても、私はもう、ロケット団を率いて下さいとは言わないでしょう。ただ、お会いしたい。出来る事なら、お側に置いて欲しい。完全な私のわがままです。
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