鐘屋横丁


注意書き

2人が拘束えっちする話です。
ゲーム内細部設定の違いはご容赦ください(覚える技等)。
名前ありオリ幹部が一人います(#3〜 マイム)。
◆簡易あらすじ:トキワジムで最後の戦いに敗れたサカキだったが、少女はロケット団の解散は望まなかった。少女はロケット団の戦闘教官となり、世界征服の野望達成のためサカキ、マイムらと共に邁進する日々を送る。



◆表紙協力→ガバ子さん(https://www.pixiv.net/users/2015447)

     

 静かな部屋の中に、時計の秒針の音だけが響く。ここはいつもの、アジトの奥の部屋。今は、わたしとペルシアンだけ。ブラッシングをして、毛並みを整えてあげると、ペルシアンは機嫌良さそうにみゃおんと鳴いた。
 今日は任務に出てる人が多くて、訓練はいつもより早く終わった。ボスは忙しいから、ペルシアンをなかなか構ってあげられない事を気にしてた。だから、ブラッシングのお手伝い。ボスの手持ちはみんな大柄だから、手入れが大変そうだけど、ペルシアンはまた違う手入れが必要なんだって。
 わたしの手持ちは、多少汚れてても気にしない子が多いから、手入れは普通の人より楽だと思う。……まあ、だからなのか、今1体ダウンしちゃってるんだけども。
 ベトベトン。なにか悪いものを拾い食いしちゃったみたい。お腹痛くなって、ポケモンセンターにしばらく入院。訓練で滅多に使わない子だから、お仕事に支障はない。護身用に連れていたんだけど、もうロケット団でわたしに突っかかってくる人は居ないし。ゆっくり休んで、ちゃんと治して欲しいな。
 ペルシアンがゴロゴロとのどを鳴らして寄りかかってくる。ちょっと、重たい。わたしには身体が大きく感じるけど、可愛いな。ボスのペットとしてお似合いだ。
「よしよし。ご主人様、早く来るといいね」
 ペルシアンはナーオと鳴くと、また寄りかかってきた。ボス、今日は雑誌の取材があるって言ってたな。こないだテレビに出てから、そういう仕事がどっさり増えたんだって! なんていう雑誌だったかな、チェックしないと……。

 しばらくすると、マイムさんとボスが部屋に入ってきた。マイムさんはいつもの倍くらいの量の書類を抱えてる。あれ、全部読まなくちゃいけないのかな。ボスって大変だ。
「お疲れ様です。ボス、マイムさん」
「はい、お疲れ様です」
 マイムさんがにっこりと笑う。
「む……、ペルシアンの世話をしてくれたのか。助かる」
「いえ。大したことじゃないです」
 ミャオウ、と鳴いてペルシアンはボスの元に駆け寄った。ボスが頭を撫でると、すっごく嬉しそうにしてる。
 ボス、今日はスーツだ。Rのエンブレムも付いてない。深い赤のネクタイがおしゃれ。髪もいつもよりバッチリセットしてて、よそ行きって感じがする。カッコいいな。でも、顔は疲れてるみたい。大丈夫かしら……。
「こちら、優先度の高い順にファイリングしてあります。急ぎのものは少ないので、明日に回しては」
「いや。多少遅くなっても今日中に済まそう。明日の予定を考えると、先延ばしにする方が厳しい」
「お手伝い致します」
「悪いな。付き合わせて」
「サカキ様とは一蓮托生の身と決めております。どうか、お気になさらず」
 胸に手を当てるマイムさん。
「なんとも大げさだな。……そういう訳だ。今日は遅くなる。約束していたのに、すまない」
 ボスは申し訳なさそうな顔をした。わたしもお手伝い出来たらいいんだけど、お茶汲みくらいしか出来そうにないや。
「分かりました。お仕事の邪魔になってもいけないし、今日は帰ります」


~ 1/10 ~